会長挨拶

埼玉県助産師会 会長 牧岡晴美

 

日頃より、埼玉県助産師会の活動に御理解と御協力を頂きまして感謝を申し上げます。長引く新型コロナウイルス感染症の状況で会議などはほとんどがWeb開催となり、一昨年から埼玉県助産師会通常総会もWeb開催でした。今年度は、現地開催とライブ配信を同時に行うハイブリッド開催となりました。開催に向けましては、埼玉県立大学と会員の皆様方の御協力を頂き、厚く御礼申し上げます。

さて、全国的にも少子化、そして出産の高齢化が進む中、2022年の出生数が過去最少とのデータが示されました。予想より10年以上早いペースでの少子化が進んでいます。埼玉県の出生数も2021年より減少しています。また、昨年1年間に全国の警察が児童虐待やネグレクトの疑いがあると児童相談所に通告した数は過去最多となっており、その中でも残念ながら埼玉県は上位になっています。母子支援の身近にいる助産師として寄り添い、切れ目のない関わりや支援は必須であると考えます。

ここ数年、産後ケア事業の推進や育児休暇を取得するパートナーも増えましたが、まだまだワンオペ育児環境の母子も多くいます。助産師や助産所の活用をして頂き、出来るだけ地域や病産院と連携を取りながら産前・産後ケアの充実を図っていき、少しでも出産や育児などの不安解消ができるように、今後も助産師としてあらゆる分野での活動を通して母子保健向上に向けた役割を果していかなければと強く思います。

今年3月には、政府から少子化対策として出産の保険適用を検討する方針が示されました。出産費用の見える化を図り、詳細な分析を行い、2026年度を目処に議論を進めるとしています。これにより、開業助産師の経営にはどのような影響があるのか、現段階では不透明なため今後の方向性を注視していく必要があります。日本助産師会や埼玉県産婦人科医会、その他の関連団体とも情報共有しながら、妊産婦や助産師にとって有益となるような、より良い制度となるようにと願います。

長期にわたり世界中で取り組んできた新型コロナウイルス感染症対策ですが、5類に位置づけられてから、生活もかなり元に戻りつつあります。しかし、まだまだ終息した訳ではないので、しばらくは感染対策に留意しつつそれぞれの立場で引き続き慎重に御活動いただけたらと思います。(令和5年5月)